体力を維持・向上、身体機能を高めるために
適度な運動が欠かせないことに誰しも異論はないでしょう。
さらに精神面でも運動と相性がいいことは、実践してみれば実感できます。
とてもスッキリとした氣持ちになり前向きになりやすいですから。
アメリカで開業している日本人の医師の書いた本によると、
アメリカの精神医療の中心はいまや薬物治療ではなく
運動療法やカウンセリングであると書かれています。
「うつ」には運動療法がとても効果的であるといっています。
薬物療法でも日本で処方されているような強いクスリは使わないと書かれていました。
国民がそれを望まないからだそうです。
体に良いとなんとなく感じている方もいざ運動を始めようと思うと、
なかなかやる氣のスイッチが入らないという人も多いのかもしれません。
ランニング?テニス?ダンス?水泳?スキー?・・・
心惹かれるものがあれば始めてみるのも良いと思いますがまずはウォーキングがお勧めです。
歩くことで疲れ切ったり調子を崩すようでしたら、
スポーツはまだ次期尚早ということでもあります。
体力に自信のない方からスポーツを始める目安を聞かれたら、
1時間くらい歩いても翌日に疲れが残らなければOKと答えています。
自信がないと答える人にはまず歩きましょうと。
歩き始めるといろいろな気づきがあるといいます。
お住いの身近な場所も新鮮に見えてくるかもしれません。
今まで見えていなかった発見がたくさんあってとても面白いという人も多いのです。
このようなことがきっかけとなって歩く習慣が身につく方もおられるわけです。
歩くことは、どこでも一人で出来て、あまり環境を選びませんから。
靴さえあれば、特別な道具は他に要りませんしね。
今日からウォーキングだと意気込む必要もありません。
いつもの買い物の延長と思って少し長く歩いてみたらいかがでしょうか?
散歩程度にね。
少しずつ歩く距離を増やしていけば、心も体も何らかの変化を感じるはずです。
具体的には、
買い物に行くときは出かけるときに少し遠回りをする。(帰りは荷物があるので)
バス停一区間分歩く。(JRや地下鉄一区間は最初はちょっと長いかもしれません)通勤時に行うとさらにハードルが低くなります。
運動は全くされないOLのSさんは地下鉄の1区間を
出勤時や帰宅時の時間的・心理的余裕のある時に歩くようになって間もなく、
仕事中の座る姿勢も普段の姿勢にも変化が現れました。
治療室で学んでいる姿勢が自然に持続できるようになり長時間座っていても腰痛が出なくなりました。
持久力が不足していたんですね。
「こんなことぐらいで良くなるなんて」って驚かれていましたよ。
普段は車や自転車に乗っている短い距離を徒歩に変える。
エレベーターやエスカレーターを一部使わずに、2~3階分だけ階段を登る。
(慣れてきたら少しづつ階数を増やす。)
膝に不安がある方は階段はやめましょう。しっかり治してからチャレンジしてください。
積雪期は、地下鉄やショッピングモールの通路を歩くのもいいですね。
地下歩行空間を利用している人を見かけます。
それでも「歩くのはね~」という女性に「犬を飼ってみたら」と勧めたところ
興味を示していただきワンちゃんの散歩で一日2回歩くようになり、
年に何回か転んでいた方だったのですが、転倒されることがなくなりました。
氣をつける点は、絶対に無理をしないこと。
何も持たないのが原則!どうしても持つならリュックサックやウエストバックなど
左右の重さが均等になるものを選んで最小限の荷物にしてください。
ただし水はお忘れなく!
最初から頑張りすぎないで、短い距離から段々長くしていく。
筋肉痛が出てくると歩くためのモチベーションが下がってしまいます。
まずは自分の体力を知ることです。
慣れてきたらスピードを少し上げたり緩めたり。脈拍が少し速くなる程度がいいですね。
少しづつ歩くのに慣れてくると、歩くことにも自信がついてきます。
半年から1年続き続けていると歩かない日はなにか物足りないと感じることでしょう。
もちろん毎日歩こうと気負わないでください。
そのうちに、公園に歩きに行こうとかちょっとした山に登ってみようとか
より積極的な気持も湧き上がってくるかもしれませんね。
札幌には広大で、美しい公園がたくさんありますので、
余裕のある方は景色を楽しみながら、くまなく歩いてみるのもいいですよね。
それから市街地の近くには、標高200~500mの低山が連なっています。
こんなにも自然に囲まれている都市は他にあるでしょうか?
まずは、あまり急坂がなく登りやすい円山(標高225m)や
ジャンプ台を横目に見ながら、
木道で歩きやすい大倉山(標高307m)あたりからはじめてみるのもいいですね。
初めての人でも40分から50分もあれば登れるんじゃないかと思います。
最近では一人歩きの女性が目立つようにもなりました!
行き交う人と声をかけあいながら触れ合えるのも魅力の一つだと思います。
幼稚園児も元気に登っています。以前に園児たちがハイタッチしてくれました。
膝に不安があるうちは登り下りの道は避けて舗装されていない土の上を歩くことがよいです。
アスファルトでは痛みが出ても、土の上や枯葉が積もっている秋の道では痛みなく歩ける人がおられます。
2週間前、北海道胆振東部地震で全道がブラックアウトになりました。
夜中に起きたので帰宅難民になる方は少なかったと思いますが
そんなときのために、自分の職場からの帰宅路を一度歩いてみてはいかがでしょうか?
もしもの時に役に立つかもしれません。
私も時計台カイロプラクティックのある中央区から西区まで、2度ほど歩いたことがあります。
2時間強かかりました。
車では30分くらいの道のりです。
疲れたら、無理せずにバスや電車に乗りましょう。
自分を知ることが大切です。
最後に重要なアドバイスがあります。
歩くことは手軽に思えますが実はここには大きな落とし穴があります。
闇くもに歩いても健康な肉体が得られるとは限りません。
逆に足や腰、首などを痛める可能性さえあります。
体を鍛えようとする前に
「座る・立つ・歩く」の正しい基本姿勢を理解し、身につけながら
行うことがとても重要です。
治療室では小さなお子様からご高齢の方まですべての方に元気の出る疲れにくいバランスの取れた
「座る・立つ・歩く」の基本姿勢を実際に体感してもらい、
普段の家事、仕事、スポーツに役立ててもらっています。
もう一つ見落としてはならない重要なことは
「靴選び」です。
ウォーキングシューズやランニングシューズであれば何でもよいというわけにはいきません。
自分に合わない靴で歩いたり走り続けていると疲れやすいばかりではなく足や膝、
腰など体の障害の原因となります。
また、良い靴を買ったつもりでも靴底が擦り減った状態で履き続けると
節約になるどころか、身体が悲鳴を上げてしまえば治療費がかさんでしまいます。
靴如何によっては、ウォーキングが好きになるか嫌いになるかの
分かれ道とも言えるくらい重要な要素です。
よって靴選びや履き方もなおざりにはできません。
それから、運動をやる気が今一つ起こらないという人のなかには、
身体のどこにも痛みなどの不快な症状がないけれども体の骨格バランスが崩れていることで
モチベーションが上がりにくくなっている可能性があります。
以前に捻挫をしたり骨折、開腹手術の経験がある方は体のバランスが崩れている可能性があります。
驚かれる方が多いのですが10年前20年前30年前の傷も関連している場合があるのです。
そのような方はカイロプラクティックの施術を通して身体のバランスが整うと
歩くことの楽しみを発見できるかもしれません。
最初は「歩くのが苦手なんです」と言っていたOLのCさんは施術後に歩いてもらうと
「歩きやすい」「歩いてみたくなった」と感想を述べられています。
そこで「座る・立つ・歩く」の基本姿勢をご指導したところますます歩く意欲が高まって、
今では時々早朝にウォーキングをされており、
冷え性も克服し明るい性格に一段と磨きがかかっています。
人間歩くことが億劫になると行動範囲が狭まり段々と気持ちもふさぎがちです。
70代前半の男性Gさんはお見えになったときは左足を引きずっていましたが
御本人の訴えは睡眠の妨げにもなっていた右の腕のシビレでした。
見た目には80代前半くらいに見えました。
時計台カイロプラクティックの調整によりシビレが解消され足の引きずりもなくなりました。
治療と同時に正しい「座る・立つ・歩く」の基本姿勢を学んでいくにつれ
バランスよく歩幅が大きくなって歩くスピードは健康な人そのものです。
気力が満ちてきて30分の散歩も習慣となり、そのうちにお一人で上京されるまでになりました。
「雪道で頻繁に足を取られていた。それが今では全く無くなり、外出する不安がなくなりました」
と嬉しそうに語ってくれました。
見た目も、動作も会話のレスポンスも高齢者というイメージは全くなくなりました。
腕のシビレが起きていなかったら
足を引きずる動作を気にして当院を訪ねてくださることはなったでしょう。
自覚のない症状においても知らぬ間に生活の質を大きく低下させていることがあります。
正しい「座る・立つ・歩く」の基本姿勢を学んで生涯自分の足で活き活きと歩きたいものです。