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スタッフおすすめ本『油の正しい選び方・摂り方』 奥山治美 國枝英子 市川祐子 農山漁村文化協会

油脂と健康の科学

油の正しい選び方・摂り方 奥山治美
私はかつて、油は植物性、動物性を問わず体にあまり良くなくて、できるだけ摂らない方が健康に良いのではないかと思っていた時期もありました。そして、植物油は比較的良いほうの油で動物性脂肪やコレステロールは良くない油というイメージもありました。「植物性油安全神話」と言われるものです。読後、すべてがひっくり返されることになるわけですが・・・。

脂質には自分の体内で合成できないものがあり、それは食物から摂らなければなければならないものです。必須脂肪酸と呼ばれます。その一つがリノール酸でアラキドン酸に変換されます。しかし摂りすぎは、リノール酸ーアラキドン酸カスケードという強い炎症反応を引き起こします。炎症は本来、体が治っていくための過程なのですが、この炎症が続くと癌をはじめ脳や心臓の血管の動脈硬化、アレルギー(アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症など)、心の病気そのほか内蔵の病気の原因となる炎症の主要な危険因子であると。つまり、この炎症に私たちが日常的に摂っている油の栄養が深くかかわっているというわけです。

植物の種子から得られる食用油脂の多くと、動物性であるバターやラード、牛脂のいずれにもこのリノール酸は含まれています。また、両者にはそのほかに飽和脂肪酸、オレイン酸、α-リノレン酸が含まれており合計4種類の油脂で構成されているのですが、その組成は植物油によって大きく異なるばかりか動物性と比べるとさらに大きな差があります。

一方、摂取された必須脂肪酸のα‐リノレン酸は体内でEPAやDHAに変換されます。これらEPAやDHAは魚油の成分として有名です。空気中では飽和脂肪酸を主成分とする動物脂肪は酸化されにくいのですがα‐リノレン酸は酸化されやすいという欠点があります。ところが体の中に入るとむしろ活性酸素をうまく消去するように働くというわけですからうまくできていますよね。ただし、ビタミンCやE等の抗酸化ビタミンが不足していなければということですからバランス感覚が必要なことを付け加えておきます。さらにα‐リノレン酸の効果として脳や網膜の維持に欠かせない油であること、切れやすい性格や学習能力の改善、自殺を防ぐことなどにも触れています。α―リノレン酸はリノール酸に対し拮抗的に働きますので両者のバランスが重要になります。

 

脂質について少し補足しておきましょう。脂質は炭素の鎖に水素と酸素が結合したもので、水素の結合の仕方で基本の4つの型に分類されています。
1.飽和脂肪酸
すべての炭素に水素が結合しているものが飽和脂肪酸。これは主に動物脂肪で融点が高い。70℃

2.オレイン酸(一価不飽和脂肪酸)
右から数えて9番目と10番目の炭素が2重結合になっているものが一価不飽和脂肪酸
【すべて水素で飽和されていないという意味で不飽和脂肪酸】融点15℃

3.リノール酸
9番目と10番目、12番目と13番目の2か所が2重結合 ω(オメガ)6系と呼ぶ 融点-5℃

4.α-リノレン酸
9番目と10番目、12番目と13番目、15番目と16番目の3か所が2重結合 ω(オメガ)3系と呼ぶ 融点-10℃

は動物の体内でも作られますが、は哺乳動物は作ることができないので、食物として摂る必要がある必須脂肪酸です。食用油はこれらの4つの脂肪酸が組み合わさってできています。バターやラードなどの動物性脂肪の組成は、飽和脂肪酸オレイン酸がほとんどです。オリーブ油はオレイン酸が多く、種子から採れる油(大豆、コーン、ひまわり等)の主成分はリノール酸で、シソ(エゴマ)油や亜麻仁油はα-リノレン酸です。

 

どんな油を意識して摂るべきか?私の理解でまとめてみますと、必須脂肪酸であるリノール酸は油として摂らなくても、肉や米や大豆など様々な食物に必要量は十分含まれているので、一般的な日本人の食生活では不足しないので心配はない。しかし、調理用の油としてリノール酸を多く含む油(ごま油、大豆油、コーン油、ひまわり油、グレープシード、紅花油等)を利用するとリノール酸が過剰摂取となり、炎症の原因となるため様々な病気の原因となる。

ただもう一つの必須脂肪酸であるα-リノレン酸については不足がちなので意識的に摂取する必要があるということなんです。私もこの本を読むまでは、α‐リノレン酸は全く摂っていませんでした。日本人は比較的魚を食べていますので、ω3系のEPADHAとしては摂取していますが、これだけでは不足していると考えられます。

それからα-リノレン酸(ω3)を摂る場合にも摂取量だけではなくリノール酸(ω6)との比率も重要です。それにはリノール酸(ω6)の絶対量を減らすことが欠かせないということも忘れてはならない点です。詳細は本で確認してください。

α-リノレン酸を多く含むエゴマ油、亜麻仁油などは、最近ではスーパーでも購入できます。エゴマ油は少々くせがあるので、私は亜麻仁油を使っています。どちらも酸化しやすい油なので、加熱せずに使用します。例えばサラダのドレッシングとして使います。開封後は冷蔵庫で保存します。便が緩くなるかもしれませんので、最初は少量から始めるのが良いと思います。

一般に植物油が健康的と言われて、実際そのような情報が巷で溢れていますので、いまだにバターよりマーガリンの方がヘルシーだと思われている方もいるかもしれません。しかし植物油成分の大部分であるリノール酸を多量に摂取してしまうことの危険性は知っておくべきで、動物性脂肪の方が反って健康的だとする研究もあるようです。マーガリンにはトランス脂肪酸の問題もあり欧州ではすでに禁止されているものです。アメリカでも近々禁止される予定です。

余談ですが今はとんかつも植物油で揚げているお店がほとんどだと思いますが、私の子供のころはラードを使うのが普通でした。そういえばラーメンもそうでした。ラードで揚げたとんかつで作る、かつ丼の香ばしい味が今でもとても懐かしいのですが、私にとってはラードで揚げた方がずっと美味しく感じるし、実際健康にも良いのかもしれません。食べ過ぎにはもちろん注意が・・・。

その他にもコレストロールに対しての誤解や油脂と脳機能の低下やうつ症状との関連、メタボリックシンドロームについてなども書かれており、油脂は健康を考えるうえで欠かせない食品であることがよくわかります。私もこの本を読んで自分のなかの油に関する常識が覆ってしまいました。どのような成分の油を食べるかによって肉体を構成している何十兆個もの細胞膜の性質が異なってしまうわけですから、「油がその人の体質を作る」といっても過言ではないということもよく理解できました。是非、油脂選択の参考にしていただき、ご家族の健康に役立ててほしいと切に思います。

最後に本の紹介とは関連はありませんが、健康を守るうえで避けられないお話です。日本の遺伝子組み換え表示制度では、油や醤油などは100%遺伝子組み換え食品であっても表示義務がありません。こういう点にも私たち消費者はしっかり厳しい目を向けていかなければなりませんね。

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