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あなたの不調の原因は,もしかすると「大好きな食ベもの」?

ジョコビッチの生まれ変わる食事

あなたは遅延型フード(食品)アレルギーという言葉をご存知でしょうか?「自分にはアレルギーはない」と思っておられる方は少なくないかもしれませんが、私たち日本人の二人に一人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。鼻水、くしゃみ、喘息、湿疹、イライラ、不眠、肌荒れ、頭痛、冷え、口内炎、集中力の低下、うつ、・・・などの多彩な症状の原因が食品由来のアレルギーだとしたら?

アレルギーを引き起こす物質は、私たちの身の周りのあらゆるもの、金属、電気、洗剤、口の中の詰め物、インプラント、眼鏡、薬品、化粧品、光、電磁波、排気ガス、ダニ、・・・などですが、うっかり見落としがちなものが「食品」なのかもしれません。

というのも、 「なんとなく調子がすぐれない」、例えばお腹が張る、便が緩い、頭が重い、体がだるい、食後眠いなど、こういうレベルの症状だとその原因が、まさかある食べ物に起因しているとは思いつかないかもしれません。 「習慣で毎日食べている」、「好物でよく食べる」、「健康に意識してたくさん食べている」という食品こそアレルギーを起こしやすい食品です。

なんとなくやり過ごしてしまっている慢性的な何らかの症状がある、そんなひとの9割の人に遅延型フードアレルギーがあるといいます。遅延型フードアレルギーというのは食べてから発症までの時間が長く、6時間から48時間ということも自覚することを困難にしています。一方、即時型のアレルギーは、発症が飲食直後であるため気が付きやすいけれど、重い症状(アナフィラキシーショック)になりかねないものです。

セルビア生まれのテニスプレイヤーのノバクジョコビッチ選手は、グルテンフリーによって安定したパーフォーマンスを手に入れることができました。彼は、医師に小麦アレルギーを指摘されて愕然とします。なぜって ピザ屋の息子なんですから…。子供のころからずっと食べてきたピザが自分を苦しめている!そんなこと信じられますか?

「しかし、小麦を排除して短期間に頭の中の靄が晴れた」と述べています。ブレインフォグです。頭が冴えわたりパーフォーマンスも高まっていったそうです。筋肉の反応も思考も変化していきました。そして、同時に他のフードアレルギーも取り除いた食事を実践することでやがて頂点に上りつめていったのです。

「食事以外は何も変えていない。」これまでやるべきことはすべてやってきたといいます。もともと弱い選手ではありませんでしたが、ここぞというときに結果を出せずに苦しんでいました。誰でも慣れ親しんできた思考 や行動 を変えるには大きな困難が伴います。オープンマインドでいることの重要性も強調されています。

小麦が自分にとってのアレルゲン(アレルギーを引き起こすもの)であることを受け入れるために役立ったのが筋力テストです。これは筋肉の絶対的な力を測るものではありません。神経筋反射テストとも言って筋肉の伸張反射(脚気の診断で使われる膝蓋腱反射テストをご存知でしょうか?)を利用して体の反応を見るテストです。

たまたま同郷の医師が 奥様に誘われて ジョコビッチの試合をテレビ観戦しているとき、彼はジョコビッチの反応の遅れを見逃しませんでした。そこでジョコビッチにコンタクトをとった医師は、小麦を彼に持たせた状態で筋力テストを行います。彼の筋肉は小麦を持たずに行ったテストの時と同じようには反応できなかったのです。彼は頭ではなく体を通して重大な事実を受け入れました。小麦が自分に与えている影響について。

当院での臨床例を一つ挙げてみましょう。

数年ぶりにお見えになった女性は首の痛みを訴えていました。治療で大切なのは全身をみること。私が久しぶりに彼女を見た時に気になったのはむくみです。そういえば起きがけに顏についた痕がなかなか消えないといいます。さらに最近行った血液検査で肝機能がよくないと医師に指摘されています。これまでの検査で肝機能の異常を指摘されたことはないとのことです。確かに私の診断でも肝機能の低下が疑えました(筋力テスト)。お酒を控えて様子を見たそうですがあまり肝機能に変化はなかったとのことです。

最近 、食生活の中で変化したことがなかったかどうか?を尋ねました。ちょうど肝機能が悪化するちょっと前あたりから朝食をご飯からパンに代えていました。パン食にして数週間が経過しています。そこでいつも食べている食パンを持参いただき筋力テストを行いました。 彼女の右手を肝臓の上に置いていただきテストをすると筋肉が反応できません。次に右手でパンを持っていただきテストを行うと 筋肉は 正常に反応できませんでした。

私は彼女に説明しました。「パンがあなたにとってのアレルゲンである可能性がありますね。肝機能の低下の犯人はパンでしょう。小麦のタンパク質であるグルテンは代表的なアレルゲンです。でも製造過程で使われている何らかの化学物質(保存料とかマーガリンとか)である可能性も否定はきません。分けてテストができないのでこの段階では特定できないんです。化学物質が入っていないパンや天然酵母のパンではアレルギーを起こさないかもしれませんがいずれにしろここ数週間いつも食べていた食パンを中止してみては?」

彼女は私の説明に納得してくれました。数週間後に来院されたときは肝機能が回復しています。翌日から朝食をご飯に戻して1週間後の血液検査で肝機能は正常化していたことも確認できました。

治療では、右サイドの頸部の固まっている筋、背中の脇に走る固い筋肉、 肝機能の正常化を促す徒手治療 を行いました。そして、原因と考えられるパン食の中止です。むくみ自体は最初の治療の翌朝には解消していることが確認できています。枕でできていた頬のへこみ痕ができなくなったわけです。頸部の張りもほとんどなく、楽に顔の向きを変えることができます。右側に位置する臓器の異常は、今回は肝臓でしたが右側の頸部に異常を起こす可能性があります。

 

このように、自分にとってのアレルギー食品を筋力テストによって判別することができます。それだけではありません。筋力テストは食品に限らず、あなたを混乱させるどのような物質でも判定可能です。身に着けるもの、歯の詰めもの、化粧品、洗剤、薬品、電波、・・・。物質だけではなく、マイナスな感情も同様にできます。いやなことを思い浮かべながら筋力テストをして筋肉が反応できなければその感情は、あなたを混乱させていると考えられます。このように筋肉と神経系の反応をみることであなたの不調の原因を見つけることが可能です。

自分でフードアレルギーを特定する簡単な方法もあります。本文中でも紹介されていますがアレルギーが疑える食品を最低2週間完全に控えてみるのです。そこであなたの不調が軽減または消えたらその食品を再度食べてみるのです。ある一定以上の量を食べないと症状がわかりにくいかもしれませんが、症状が再現されればその食品はあなたにとってアレルゲンであると考えられます。

アレルゲンが思い当たらないという方は 「健康を意識してよく食べている」、「大好きで毎日食べている」、「習慣でいつも食べている」という食品をまずはテストしてみましょう。最近「はまっている」という食べ物、飲み物もいいですね。健康食品も忘れずにテストしてましょう。

 

メンタルの問題は、アレルギーを悪化させる要因です。 というのも精神的なストレスに胃腸はとても敏感であるからです。遅延型フードアレルギーの根本原因として注目されているのが腸のバリア機能低下(リーキッドガット症候群)ですが、そもそもアレルギーをはじめ丈夫な体つくりには腸の正常な機能が欠かせません。そのことが新たなアレルギーの予防にもつながるわけです。

食べ過ぎる食習慣、抗生物質の乱用、抗生物質を飼料にして育った動物、加工食品、添加物、ジャンクフード、間違った油脂の摂取、心身の不良な姿勢・・・が私たちの身体に大きな影響を与えています。 また、 砂糖、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、卵なども腸内環境を乱す要因となりますので摂取量に特に注意が必要な食品と考えられます。

胃腸の機能が改善されるとアレルギーを起こしていた食べ物も徐々に食べられるようになるはずです。そのためにはまずは不調の原因である食品を知って食べるものをコントロールする必要があります。同時に腸の機能改善のために生活習慣の見直しも大切です。ジョコビッチの言うように自分にとっての生まれ変われる食事を見つけましょう。

 

 

 

 

 

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