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スタッフのおすすめ本 『看護師も涙した老人ホームの素敵な話』 小島すがも著 東邦出版 

こころから「人」を好きになれる、実際にあった19の感動ドラマ

老人ホームの素敵な話 小島すがも

看護師さんがひょんなことから老人ホームに勤めることになり、そこで出会った入所者やその家族とのふれあいの感動ドラマです。うれしいこと、哀しいこと、寂しいこと、そしてホームの意識を変えさせた家族・・・一人ひとりに向き合わなければ分かるはずもない、人生の機微を見せてくれる本です。一話完結で19のドラマ、とても読みやすく、挿絵もステキです。

社会も様々な人間で構成されているように、ホームにも色々な方々が入居されています。穏やかな人、朗らかな人、無口な人、管理側から見ると問題行動とされる人、家族のいる人、いない人。表面だけで対処していると解決できないばかりか、余計に悪化していきかねない問題も、その方の背景にあるものを見逃さない職員がいれば、好転していくのだなと得心しました。

看護師さんが入居者さんとの心の壁を取り除くために、爪切りをするというエピソードが描かれています。私も病院に父の面会に行ったとき、ベテランの看護師さんが、ていねいに父の爪を切ってくださっていました。看護師さんてこんなこともして下さるんだなと、ありがたく思ったのをよく覚えています。

実際の介護の現場がこんな風だと、誰もが幸せだなというのが読後の正直な感想です。こんなに入居者目線で介護されてるところが他にもあるんだろうか?という疑問もあります。

私も何件か高齢者の施設を見学したことがあります。もちろん見学でわかることも多少はあるでしょうが、入居してみないと本当のところは判らないものです。

でもこの本に登場するような考え方の看護師や介護士、そして高齢者施設が増えてくれば、介護される方はもちろんですが、介護する方も自分の仕事のやりがいを感じ、お互い幸せになれるのではないかなとも思います。看護や介護、保育というのは本当に大変な仕事だと思います。看護や介護は、夜勤もあり、とにかく体力が必要とされますし、慢性的に人手が足りていないようですから。そんな中で、入所されている方々に向き合っていくというのは、その仕事を好きにならなければできないことでしょう。

この本は一人ひとりを尊重するという姿勢にあふれています。誰もが非常識じゃないかと思うような家族にも、自分たちの狭量な意見を押し付けないというような考え方もうかがえます。その方をありのまま受け入れるということが、まずは大切なことなんだなと感じさせてくれた本でした。

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